第8回『澄和Futurist賞』(顕彰事業)

『澄和Futurist賞』とは
Futurist(フューチャリスト)とは、「未来を創る人」をイメージしています。
今この瞬間もたくさんの方々が、それぞれの想いを胸に、誰かのために汗し、人知れず黙々と自分の信じる道を進まれています。
私たちは、そうした意義ある活動に地道に取り組まれている皆様に心からの敬意を表し、応援させていただくとともに、社会により認知されるお手伝いをしたく、『澄和Futurist賞』を創設しました。
その想いが次世代へ継承され、素晴らしい未来に繋がっていく事を信じています。
概要
(1)趣旨
「より良い未来構築の為」に、市民目線で地道に取り組んでいる個人または団体を表彰し、その意義ある活動がより広く認知され、さらなる理解協力が得られるよう応援するものです。
(2)選考
賞の名称(サブタイトル)にあるとおり、「人の和」「自然との調和」も含めた広義の平和関連テーマに長年取り組む方を3組程度選定します。第8回は『特別賞』の贈賞も行いました。
(3)発表
毎日新聞社様に後援いただき、10月8日(日)に紙面発表を行います。
毎年10月8日を『澄和の日』と定めることで、世の中に広く知られるよう取り組んでいきます。

第8回
澄和Futurist賞選考委員会によって、次の方々に決定いたしました。
【特別賞】
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坂本 龍一 さん
- 世界の不協和音に一石を投じ続けた音楽家
- 20代の頃から音楽家として活躍し、「世界のサカモト」と呼ばれるなど高い評価を得てこられました。まだこの世にない新しい音楽を追求する一方で、平和・非核・自然・被災地支援など社会の出来事にも関心を向け、自らの想いを世に投げかけ続けました。
- その活動は多岐に渡り、環境・平和問題をテーマにしたオペラの創作や、原爆詩朗読の伴奏、原爆投下後の長崎を舞台にした映画の鎮魂歌作曲といった音楽活動にとどまらず、脱原発を掲げたロックフェスティバルの企画、原発再稼働反対デモへの参加、森林保全団体の創設、東北ユースオーケストラの立上げなど様々な課題に精力的に取り組み、未来へと続く足跡を残されました。*Photo by Neo Sora ©2020 Kab Inc.
【澄和Futurist賞】
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宮本 亞門 さん
- ボーダーレスに、人間とは、生きるとは何かを問いかける
- 東洋人として初のブロードウェイ演出家となる快挙を成し遂げ、オリジナル作品はもとより海外作品の導入や日本文化を世界に発信するなど幅広いジャンルでインターナショナルに活躍してこられました。そして、演出の中で一貫して“生きるとは” “人間とは何か”を問いかけ、観る人それぞれが自分に向き合える作品を送り出し、多くの人々を勇気づけてきました。
- その背景には紆余曲折のあった人生経験をありのままに受け止め、ポジティブに変えてきたご自身の考え方があります。人種や国境といった既成の境界や価値観にとらわれず、誰もが生きていることの大切さ、素晴らしさをあらゆる方法で発信し続けています。自立した考えをベースに、非戦や平和、自然への慈しみというメッセージへとつながっています。
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大石 芳野 さん
- 終わりのない戦禍を生き抜く人々の日常を写真に刻み続ける
- 20歳代後半に訪れた東南アジアで、太平洋戦争当時の日本軍による多数の現地住民に対する殺傷の証言を聞いて、「戦争は終わっていない」と痛感し、戦禍・戦後に生きる人びとを記録することに注力されました。争いの地を訪れる度に感じるのは、イデオロギーや国際政治の問題のもとで、多くの生命や人権が軽んじられることへの憤り。そうして 何度も同じ地、同じ人を訪れることで心を通わせ、半世紀に渡り人々の姿を撮り続けています。戦争自体は終わっても、心の中に戦争は残り続けます。未だ消えない苦しみにありながら、ただひたむきに生きようとするその姿を捉えた大石さんの写真は、私たちにより一層強く、「戦争は二度と起こしてはならない」と訴えかけてきます。
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叶 匠壽庵
- 人、地域、自然とともに…「和む」世界の実践
- 和菓子の世界において創業65年は決して歴史があるわけではありません。後発だからこそ自然な材料にこだわり、“地域への愛”と、人材研修ビデオ『にんげんだもの』に題材として取り上げられた“人を大切にする経営”という創業者の理念を引き継いでいます。
- 1985年には63,000坪の里山を受け継ぎ「寿長生の郷(すないのさと)」とし、「農工ひとつ(=農業と和菓子作りは一体である)」という考えのもと、本社・工場も移して社員が里山づくりに関り、そこで自ら育てた農作物を主原料とした良質な和菓子を一貫して提供。
- 三代にわたり地域との和、自然との調和に長く取り組んできた姿勢は私たち日本人が大切にしてきた「和む」世界の実践であり、これからも和菓子を口に含んだ時にホッとするような心安らぐ時間を紡ぐ活動に期待が膨らみます。
これまでの受賞者の皆さま
<第8回>
坂本 龍一様(当日代理 エイベックス・エンタテインメント副社長 若泉 久央様)
宮本 亞門様
大石 芳野様
叶 匠壽庵(社長 芝田 冬樹様 当日代理 御令息 芝田 元太様)