第6回『澄和Futurist賞』(顕彰事業)

『澄和Futurist賞』とは
Futurist(フューチャリスト)とは、「未来を創る人」をイメージしています。
今この瞬間もたくさんの方々が、それぞれの想いを胸に、誰かのために汗し、人知れず黙々と自分の信じる道を進まれています。
私たちは、そうした意義ある活動に地道に取り組まれている皆様に心からの敬意を表し、応援させていただくとともに、社会により認知されるお手伝いをしたく、『澄和Futurist賞』を創設しました。
その想いが次世代へ継承され、素晴らしい未来に繋がっていく事を信じています。
概要
(1)趣旨
「より良い未来構築の為」に、市民目線で地道に取り組んでいる個人または団体を表彰し、その意義ある活動がより広く認知され、さらなる理解協力が得られるよう応援するものです。
(2)選考
賞の名称(サブタイトル)にあるとおり、「人の和」「自然との調和」も含めた広義の平和関連テーマに長年取り組む方を3組程度選定します。第6回は『特別賞』および、若い世代に期待を込めて『Next Futurist 奨励賞』の贈賞も行いました。
(3)発表
毎日新聞社様に後援いただき、9月30日(木)に紙面発表を行います。
毎年10月8日を『澄和の日』と定めることで、世の中に広く知られるよう取り組んでいきます。

第6回
澄和Futurist賞選考委員会によって、次の方々に決定いたしました。
【特別賞】
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故 中村 哲 さん
- 乾いた大地に水と平和を
- 35年間にわたりパキスタン、アフガニスタンでの人道支援に尽力しました。特にアフガニスタンでは、医療支援に携わる中で、病と飢餓の解決策を水に着目し、飲料用井戸掘りや用水路建設に取組みました。自ら土木の最前線に立ち、現地の信頼を一つひとつ積み上げながら歳月をかけて築いた用水路や給排水路は総延長100㎞に及びます。大干ばつによって沙漠化した大地に広大な緑の農地16,500haを蘇らせ、65万人もの人々に生活の安定をもたらしました。
- 「人も自然の一部であり、あらゆる人の営みが自然と人、人と人との和解を探る以外に人間が生き延びる道はない」という信念は、後に残った人々に受け継がれています。*写真:PMS(平和医療団・日本)提供
【澄和Futurist賞】
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さだまさし さん
- 生きる希望を詠い続ける
- 数多くの名曲を生み出し、半世紀近くにわたり幅広い世代の心を癒し、和ませ、励ましています。美しい言葉と時おりユーモアを交えながらさまざまな人生模様と“いのち”を映し出した詞に、多くの人が自分の心の内を重ね合わせ、生きること、愛することに希望を抱いてきました。
- また、いのちへの想いは歌づくりに留まらず、故郷・長崎では1987年から20年間にわたりのべ約51万人の観客を集めた無料の平和祈念コンサートを開くなどの取組みでも表してきました。その後も東日本大震災後の復興支援に始まり、多数の災害支援も継続。さまざまな志ある人々とつながり、応援しています。
- 心に響く音楽は、今と未来をつなぐメッセージとなっています。
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坂 茂 さん
- 「紙」の建築による人道支援
- 建築による社会貢献への強い想いから再生紙で作られた「紙管」を使った緊急時のシェルターや住宅を建て、26年間にわたり、日本をはじめ世界中で学生やボランティアらとともに被災者支援を続けてきました。
- また、2004年の中越地震後は避難所などで利用される「紙管」と「布」を用いた、プライバシーを守り、飛沫感染予防にもなる間仕切りシステムを開発し、即時支援ができるような体制づくりを行政に働きかけるなど新たな取組みもしています。
- 自然災害や紛争による難民の発生など止むことがない厳しい現実を目の前にして、自身の建築を生かし、現場に即した発想で賛同者を巻き込んでいく稀有な行動力は、他の建築家や若い世代にも大きな影響を与えています。
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平野 伸人 さん
- 若い世代に平和の意識を
- 「国連に若者を送ろう」との意志から「高校生平和大使」を始め、その生みの親として23年間こまやかなサポート活動を継続しています。これは「高校生1万人署名活動」で主に集めた今や年間20万にも及ぶ核廃絶を求める署名を、代表として「平和大使」が直接国連に届けるというもので、草の根平和運動として拡がり続けています。交流している各国の高校生が現地で署名を集めるなど、その活動は世界へも拡大しています。
- また、被爆二世の援護や被爆者運動の継承、平和教育の推進や在外被爆者の支援にも長年積極的に取り組んできました。
- 未来を担う若い世代に平和の意識を持ってもらうきっかけを作り、その活動を見守り、時には導きながら継続、拡大しています。
【Next Futurist 奨励賞】
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御手洗 志帆 さん
- 「戦争の記憶と記録」を語り継ぐ
- 2012年より毎年「戦争の記憶と記録を語り継ぐ映画祭(旧「新藤兼人平和映画祭」)」を個人で10年間主催し続けています。開催経験皆無の中始めた映画祭は、ひたむきな情熱に心打たれた多彩な賛同者が対談や講演、朗読劇などに協力し、映画上映に留まらない幅広い企画を実現しています。
- また、2020年に自ら立ち上げた「一般社団法人昭和文化アーカイブス」では、「戦争の記憶」と「昭和の文化や歴史」の記録、継承にも努めています。
- 先人の「戦争体験」に向き合える場を設け、静かに平和への想いを広げていきたいという若い世代の取組みに期待が寄せられています。
これまでの受賞者の皆さま
<第8回>
坂本 龍一様(当日代理 エイベックス・エンタテインメント副社長 若泉 久央様)
宮本 亞門様
大石 芳野様
叶 匠壽庵(社長 芝田 冬樹様 当日代理 御令息 芝田 元太様)