第10回『澄和Futurist賞』(顕彰事業)

『澄和Futurist賞』とは
Futurist(フューチャリスト)とは、「未来を創る人」をイメージしています。
今この瞬間もたくさんの方々が、それぞれの想いを胸に、誰かのために汗し、人知れず黙々と自分の信じる道を進まれています。
私たちは、そうした意義ある活動に地道に取り組まれている皆様に心からの敬意を表し、応援させていただくとともに、社会により認知されるお手伝いをしたく、『澄和Futurist賞』を創設しました。
その想いが次世代へ継承され、素晴らしい未来に繋がっていく事を信じています。
概要
(1)趣旨
「より良い未来構築の為」に、市民目線で地道に取り組んでいる個人または団体を表彰し、その意義ある活動がより広く認知され、さらなる理解協力が得られるよう応援するものです。
(2)選考
賞の名称(サブタイトル)にあるとおり、「人の和」「自然との調和」も含めた広義の平和関連テーマに長年取り組む方を3組程選定します。節目となる第10回は2度目の『Next Futurist 奨励賞』の贈賞も行いました。
(3)発表
毎日新聞社様に後援いただき、10月8日(水)に紙面発表を行います。
毎年10月8日を『澄和の日』と定めることで、世の中に広く知られるよう取り組んでいきます。

第10回
澄和Futurist賞選考委員会によって、次の方々に決定いたしました。
【澄和Futurist賞】
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浅田 次郎 さん
- 『鉄道員(ぽっぽや)』『地下鉄(メトロ)に乗って』『蒼穹の昴(そうきゅうのすばる)』をはじめ幅広いジャンルで多くの名作を生みだし、日本を代表する小説家として長く第一線で活躍しています。
- 人の心理や人間関係を丁寧に描き、人情味とユーモアを織り込んだストーリーは読む人の心を揺さぶり、感動を呼んできました。
- 一方で早くから戦争文学にも力を注いできました。戦争によって命を失った人々への敬意とともに、その悲惨さに終始するのではなく、登場人物を通して一人ひとりの尊厳を描きながら戦後世代としての歴史継承に取り組んでいます。
- さまざまな場面で言論・表現の自由と世界平和の希求を作家の使命として訴え、ペンの力で平和への思いを表現し続けています。
- 写真 ©︎講談社/森 清
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奈良 美智 さん
- 現代美術家、美術作家として世界に広く知られ、その作品は観る人のさまざまな感情を呼び起こし、また、社会に対する強い問いを投げ掛けてきました。特に象徴的な人物像や動物には無垢さとともに怒りや不穏さが込められ、深い印象を与えます。
- 2011年以降は原発問題を機に、社会問題への主張が描かれた作品が注目されるようになりました。反戦の意思を「Stop the Bombs!」のスローガンとともに示したり、「NO NUKES」と掲げる子どもの絵を反原発・再稼働デモのプラカードに無償提供するなど、作品は世界の人々の声を代弁する表現として受け入れられています。
- 「アーティストは、美術の“外の世界”へ出るべき」と発信を重ね、多くの人々に影響を与えています。
- Photo: Ryoichi Kawajiri
- Courtesy of Yoshitomo Nara Foundation
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原爆の図 丸木美術館
- 原爆投下直後、広島出身の水墨画家・丸木位里氏は妻で洋画家の丸木俊氏と共に現地へ駆けつけ、救援活動に従事。自身の体験に加え、家族や人々の証言に耳を傾けながら被爆の惨状を絵に表し、30年以上かけて全15部の『原爆の図』を完成させました。
- 初期作品の完成後から全国170カ所以上の巡回展を開催し、その後はアメリカも含めた世界20カ国以上でも展示されるなど、他に類を見ない規模と内容で訴える反戦メッセージは、芸術性と共に高く評価されました。
- 核兵器に限らず人間がもたらす暴力がいかに人々を苦しめるか--さまざまな現実までも根底から問い直す力を持つ『原爆の図』を常設展示する美術館として、1967年の設立以来58年にわたり独自の平和活動を続けてきた唯一無二の存在です。
【Next Futurist 奨励賞】
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瀬尾 夏美 さん
- 東日本大震災後、被災地に移り住みボランティア活動に取り組む中で、被災した人々に寄り添ってきました。
- 数百名もの名もなき語り手に話を聴き、それを文章や絵画さらには映像やオンライン配信といったさまざまな表現で「みんなの物語になるように」伝えています。
- また、「誰もが誰かの助けになれる」と新たな聴き手や支援者が増えるようエンパワメントしたり、時間の経過とともに孤立しがちな各地の語り部をつなぐなど、対話を常に軸としながら、共感のネットワークを紡いできました。
- 災禍に遭われた人々の記憶を「カロク(禍録=災禍の記録)リサイクル」として世代や地域を超えてつなぐ取り組みを継続することで未来の防災や共生社会の基盤づくりに役立つ可能性をおおいに秘めています。
- 写真 ©︎Hiroshi Ikeda
これまでの受賞者の皆さま
<第8回>
坂本 龍一様(当日代理 エイベックス・エンタテインメント副社長 若泉 久央様)
宮本 亞門様
大石 芳野様
叶 匠壽庵(社長 芝田 冬樹様 当日代理 御令息 芝田 元太様)